ヤギのきぬが永眠しました
15年前、警察署から動物園に電話がありました。「捨てられたヤギがいて困っているので預かってほしい。」
やってきたヤギは間もなくして、ふたごの赤ちゃんをうみました。
まっ白だったのでオスはもめん、メスはきぬと名付けられました。
2頭のこどもはすくすくと成長し、立派で強くヤギの群れの中でも中心的な存在となりました。
きぬは5頭のこどもを育てましたが、子育て中に見せる顔は、強いきぬとは別人(ヤギ?)の優しい表情で、
私はそんなきぬの「お母さんの顔」が大好きでした。
4年前にはもめんが他界し、今年に入ってきぬは自分にもお迎えが近いことを知っていました。
それでも群れの中では、最後まで気丈にふるまっていました。
私には頭をゴシゴシすりよせて、まるで別れを惜しむかのようでした。
そして今月6日の朝、きぬは眠るように去って行きました。動物園でのヤギの最高齢記録の14歳でした。
私には、きぬと一緒に過ごしてきた14年間の思い出がたくさんあります。
きぬの命を大切に、きぬが残してくれた子孫たちと一緒に職務を全うして行きたいと思います。